睡眠時無呼吸とインポ(ED)

眠っているときに大きないびきをかいていませんか?
そんな人は、間断的に呼吸が小さくなったり止まってしまう睡眠時無呼吸症候群(SAS)の危険性が高いといえます。

寝ている男性

睡眠時無呼吸に陥ると、インポ(ED)になる確率が高まります。
でも、睡眠時無呼吸によるインポの場合は、適切な治療で回復しているケースが多数報告されていますので、思い当たる男性は是非チェックされることをおすすめします。

睡眠時無呼吸によるインポのリスク

睡眠時無呼吸になるとインポ(ED)になるリスクが高まる報告には次のようなものがあります。

1990年の米国ベイラー医科大学の調査では、1025人の睡眠時無呼吸症候群患者を調査したところ、43.8%がインポ(ED)でした。しかも、無呼吸の程度が重症なほどインポになっていることが判明しました。
(出典:Urology. 1990 Sep;Prevalence of sleep apnea in men with erectile dysfunction.)

2009年ドイツのドナウシュタウ病院の調査では、401人の閉鎖性睡眠時無呼吸患者のなかで、実に69%がインポ(ED)でした。
(出典:The Journal of Sexual Medicine.2009 Nov.Vol6;Sleep Apnea is an Independent Correlate of Erectile and Sexual Dysfunction)

このように睡眠時無呼吸症候群(SAS)とインポテンツ(ED)には強い関連性があります。

では、睡眠時無呼吸がどのようにしてインポになるのか、主に次の3つがあります。

原因1 睡眠時無呼吸は一酸化窒素(NO)の生成を減らす

一酸化窒素(NO)は、血管を拡張して、血流を良くする作用があります。勃起するにあたってカギとなる物質であることは、インポ改善に関心のある方であればご存知のことと思います。
バイアグラも精力剤に含まれるアルギニンもシトルリンも、体内での一酸化窒素(NO)を増やすためであると言って良いでしょう。

一酸化窒素

しかし、睡眠時無呼吸になると、体内で一酸化窒素(NO)の生成が減り、血中の一酸化窒素レベルが低下します。

2000年香港大学の報告では、30人の睡眠時無呼吸患者を調べたところ、血中の一酸化窒素レベルが健康な同年代の男性に比べて60%程度と低かったのが、CPAP治療を受けたところ、急激に健康な男性以上のレベルまで回復しています。しかも、その後治療を止めた患者は、また元の低い一酸化窒素レベルに戻っています。

(出典:American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine.Dec 01, 2000;Circulating Nitric Oxide Is Suppressed in Obstructive Sleep Apnea and Is Reversed by Nasal Continuous Positive Airway Pressure)

睡眠時無呼吸になると、酸素不足の状態が続くので、体内での一酸化窒素(NO)の生成ができなくなってしまいます。
でも、上の報告のようにCPAPのような治療を受けることで、十分回復します。

CPAP
CPAP治療の図(Wikimediaより)

原因2 睡眠時無呼吸はテストステロンの分泌を妨げる

睡眠時無呼吸になると、性欲も低下します。これは、テストステロン(男性ホルモン)が減少することも原因と考えられます。

男性ホルモンであるテストステロンには、若さを保ち、筋肉を発達させ、元気を高める働きがあります。もちろん、男性機能を発揮するためにもテストステロンが適正なレベルにあることが必要です。

しかし、睡眠時無呼吸になると、体内のテストステロンが大幅に減ってしまいます。

イスラエルのHaemekメディカルセンターの報告では
睡眠時無呼吸患者10人をと健康な男性5人と比較したところ、血中のテストステロン濃度は59%と著しく低いことがわかりました。
その原因として、テストステロンをつくるよう刺激する黄体ホルモンの分泌が少なくなっていることが判明しました。
(出典:J Clin Endocrinol Metab.2002; Decreased Pituitary-Gonadal Secretion in Men with Obstructive Sleep Apnea)

原因3 睡眠時無呼吸は血管にダメージを与える

睡眠時無呼吸は、高血圧や高脂血症、高血糖などの合併症を引き起こしやすくなります。その結果、血液を運ぶ血管にも大きなダメージを与えます。

日本の研究でも、鳥取大学の加藤雅彦循環器内科長が、8人の睡眠時無呼吸患者とそうでない9人の肥満成人を比較して、睡眠時無呼吸患者の方に血管の内皮細胞に損傷が見られ、血管の柔軟性が失われていることを発表されています。

(出典:Circulation. 2000;Impairment of Endothelium-Dependent Vasodilation of Resistance Vessels in Patients With Obstructive Sleep Apnea)
(睡眠時無呼吸症候群の内皮・心血管リスクヘの影響 )

ただし、睡眠時無呼吸の治療を行うことで、血管のダメージが回復されつつあることもあわせて報告されています。

このように睡眠時無呼吸はインポ(ED)の大きな原因になります。
適切な治療で回復するので、早期に検査しましょう。

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